前回のブログでは、レインボーメタルと呼ばれているNiAl合金の製作を紹介しました。
左から 48.4atm%Ni 49.8atm%Ni 57.7atm%Ni 60.3atm%Ni
表面についた白色の模様はアルミの酸化物(Al2O3)だと思われます。
また、Niの含有量が多くなると黄色に変化していることがわかりましたね。
ハンマーでインゴットを割ってみたら、、、
こんな感じになりました。
実物は破断面なので、同じインゴットでも見る角度によって若干の色味に違いが生じていますが、同じβ相であるNiAlであってもNiの含有量の違いで色の変化が確認できました。
写真では見難いのですが(写真が上手く撮れなかったこともありますが、、、)
48.4atm%Niと49.8atm%Niを比べると、49.8atm%Niのほうが緑がかった青といった感じです。
また、57.7atm%Niと60.3atm%Niとを比べると57.7atm%Niのほうが若干赤みのある黄色に見えました。
今回は、小型のアーク溶解炉を用いて小さなインゴットを作ってみました。
文献と同じような作り方ではないので、文献が示していた色を再現できたとは言えませんが、元々銀色であったNiとAlとが合金になることで銀色ではなくなる、といった現象が確認できたと思います。
最後になりますが、NiAl以外で色の発現する金属を紹介して終わりにしたいと思います。
青紫色 Cu-Te
薄いピンク色 Ni-Sb
参考文献
A.J.BRADLEY, A.TAYLOR http://rspa.royalsocietypublishing.org/
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