熊谷西高等学校でビスマス結晶とマンガン平面電池の実験を実施しました

3/26(火)、埼玉県立熊谷西高等学校にて生徒(22名)、先生(3名)と「ビスマスの結晶つくり」、「マンガン平面電池の製作」実験を行いました。

ビスマスの結晶つくりは、ビスマスの電気伝導の確認、塑性加工性を体験した後、ガスバーナーを使ってビスマスを融解し、ビスマス特有の「骸晶」と呼ばれる結晶を成長させるものです。

マンガン平面電池の製作では、電池の起源でもあるボルタの電堆を組立て、電子オルゴールを鳴らしました。そして、従来の円筒形マンガン乾電池を平面型に改良したマンガン平面電池をつくり、モーターカーに搭載してスピード競争を行いました。(このマンガン平面電池の製作は、東京学芸大学附属高等学校 坂井英夫先生の発明によるものです)

今回の実験では、25個のビスマス結晶をつくりました。生徒、先生が選んだビスマス結晶ベストショット3を紹介します。

ビスマスの結晶 ベストショット3

 

ボルタの電堆実験の様子

マンガン平面電池製作の様子

マンガン平面電池 電圧確認の様子

モーターカーによるスピード競争の様子

 

先生と生徒から感想をいただきました。

<先生の感想>
授業において“金属は延性展性を示す”と習います。しかし、今回扱ったビスマスは全くこの性質を示さない。さらに生徒みんなが同じように作製しても様々な電圧を示すマンガン平面電池。これらのギャップが生徒の好奇心を刺激し、そのギャップを少しでも理解しようと「なぜそうなるのか」と楽しそうに主体的に考えている姿が非常に印象的でした。これも高純度化学研究所の方々が、基礎を確認しながら順序立てて指導して頂いたおかげかと思います。本当にありがとうございました。

<Hさんの感想>
スズとビスマスも金属なので、簡単に折ったり曲げたりすることはできないと思っていました。今回の実験では、ビスマスは簡単に折れたり、スズは簡単に曲げられることができて驚きました。ビスマスの骸晶は実際に見たことも、自分でつくってみたこともありませんでした。実際につくってみて、温度によって色が変わったり、固まり方が変わったりすごく興味を持ちました。もし機会があったらもっとくわしく調べてみたいと思いました。ボルタの電堆はいつも図や写真を見たりするだけでしたが、実際につくってみることで知識をもっと深めることができました。マンガン電池の製作では、いつもなにげなく使っている電池でも、今回実際につくることで構造を知ることができました。普段の生活では触れることのない物質をつかい自分で電池をつくることで、図や写真だけでは知ることのできない色やさわりごごち、作業の手順などを知り、他の電池もどのような構造になっているのかという興味を持ちました。これからの課題研究や授業に役立てていきたいと思います。

※高純度化学研究所では、埼玉県内の高校に化学の楽しさを体感してもらうための出張実験を実施しています。ご興味のある先生は是非ご連絡ください。

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