流動学の「ワイゼンベルク効果」をご存知でしょうか?
弾性のある液体が回転する棒にはい上がる現象のことをいいます。
例えば「水」を想像してみてください。
容器に満たされた水があるとしましょう。
この水の中に棒を差し込んで容器を回転させても水はグルグル回るだけで何も起きません。
あるいは、高速で回せば遠心力の作用で容器の縁に沿って盛り上がることでしょう。
では、「水」ではなく、「スライム」に変えたら一体どうなると思いますか?
その答えは、、、
下記の動画をご覧ください(動画再生時間:1分4秒)
どうでしたか?
まるで生き物のように棒をはい上がるスライムが確認できたと思います。
不思議ですよね。
ワイゼンベルク効果とは?
スライムのように弾性のある液体が回転する棒にはい上がる現象を
『ワイゼンベルク効果』といいます。
私たちの身近なものの中では、ケーキの生地、ケチャップ、卵の白身などが同様の現象を起こすと言われています。
では、棒をはい上がる「弾性のある液体」と、はい上がらない「水」との違いは何でしょうか?
それは、、、
・ゆっくり流れる
・弾む(ゴムのように引っ張ると戻る)
この2つの性質を持つか持たないか、なのです。
つまり、ゴムの性質を持った液体、といったイメージでしょうか。
この両者の性質を持つことを専門用語で「粘弾性」といいます。
粘弾性の性質を持つ液体は、棒にグルグル巻き付くことで、棒を締め付ける力が発生します。そして回転が進むと、周りから棒に向かった力が働くことで、自身をより締め付ける結果、周囲から押し上げられ、上にはい上がっているように見えるというわけなのです。
スライムの硬さを調整することで、より高くはい上がるそうなので、ぜひお試しください。
以前、このブログで『ホウ酸と重曹を使ったスライムの作り方』を紹介しました。こちらもぜひご覧ください。
参考資料:
「流れる固体」中川鶴太郎著(岩波書店)
高純度化学研究所 企画室マーケティング
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